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生徒さんとの会話から感じたこと (その1)
2016/10/14
swivelです。
今回は、生徒さんとの会話の中から感じた事を
私の解釈でお話します。
ある日、まだ指導し始めた生徒さんから、カービングをしている時に
作品を出来るだけ立体的にしたい・・・という話がありました。
つまり、打刻している部分としていない部分の差を大きくすることによって
立体感を出したいという訳です。
意味は理解しましたが、考えなければならない問題があります。
これは、私の生徒さんだけではないと思うので、こちらをご覧の皆様にも
お伝えしたい部分もあって書き込むのですが
(そんな事は分かっている!・・・という人は、突っ込まないでください^^;)
私は通常カービングに関して使用する革の厚みは、基本として2mmを推奨しております。
理由は簡単で、以下の通りになります。(簡単にまとめます)
・私が習っていた時の革の厚みが、常に2mmだった
・仕立てを考えた時に、総合的に2mm位が加工のし易さの限界基準と判断した
・打刻した部分との立体的高低差が上記を含めた時に2mmの厚みであれば
浅すぎもせず・深すぎもせず・・・という様にちょうど良く表現出来る
以上の理由を基準としております。
もちろん、他の厚みで作成することも出来ますし、問題ないのですが
アイテムとして総合的に考えた時に、使いやすさから考えても
2mmあたりが基準になるのかな?・・・と思う訳です。
ここからが本題なのですが、話をしていると大半の方が
自分が望んでいる立体感と使用する革の厚みに差がありすぎる方が多いのです。
例を挙げると
・革の厚みが2mmしかないのに、2mm以上の立体感を望んだり
(物理的に無理ですw)
・3mmの革に2.8mmの立体感を望んだり(分かりやすく数値化しています)
(作品の強度が極端に弱くなり、すぐ裂けてしまいますw)
もちろん、2mm以上あるような立体感(目の錯覚)や
限界近くまでカットしてしまっている部分の補強をすることによって
希望する形に近づける事は出来ますが、基本的に望みは叶いません。
いわゆる理想と現実は違います・・・という事なのですが
それを理解していない方が多く「上手くいかない」「思ったのと違う」と話す方が
多々いらっしゃいます。
それは、物理的に見て出来る事と出来ない事をきちんと理解した上で
それぞれのプロの方の作品や自分の作品を見る事が大切と考えます。
以前のブログの書き込みでも言いましたが(過去の履歴を参照してください)
自分でカービングをやってみたいと思った時に
見本となる方の作品を見た上で、それに当てはまる材料の選択や技法の習得
又は教室の選択をした方が良いと思います。
現在指導している生徒さんは、私の作風を見て納得の上で来ています。
こんなことをブログで書き込む人はあまりいないようですが
(理屈っぽいですからね^^;)
他者と似たような事を書き込んでも価値がないかな?・・・と思い
毎回こんな事を書き込んでいます。
最後に批判されるかもしれませんが、以下の事を書き込みます。
作品の一部のバスケット刻印の打った部分を見て、完全な直角と水平が出ているかを
目を凝らして観察し、それを出来不出来の判断にするよりも
全体的に見てその作品が自分にとって購入に値するかどうか?を判断したほうが
良いと思います。もちろん乱れず打刻してある作品はきれいですし
プロの技ともいえる部分ですが、ハンドメイドである事を念頭に
各プロの方々の作品を眺めることを勧めます。
swivelでした。